高校生もIFRS

  • 2011/08/25(木) 07:31:28

先週の話。

都立の商業高校で簿記の先生をしている知り合いに会ってきた。
最近仕事で気になっていることがある。

2015年以降、IFRSの強制適用がある。
でもそれは、実業の世界の話。
じゃ、教科書は??高校の先生の簿記の授業は?

2015年以降に、社会に巣立っていく高校生は、3年間勉強してきた
簿記の知識の意味がなくなるのか。


勘定の方法も、仕分けの方法も、計上する数字も変わる。


IFRSの適用をめぐって、教育と実務の間に時間差はないのか?
学校の教科書と学習指導要領。いつから変わるのか気になった。

会計大学院を運営したり、公認会計士を生みだす僕たちの会社にとって、
この時間差はとてつもないビジネスチャンス。

2015年4月に社会に出る高校生は、2012年4月に高校に入学する。
もし、そうなら、IFRS教育は来年から高校生にも及ぶはず。

聞いてみたところ、新指導要領は2013年4月から適用。
教科書は、2013年4月から変わる。※

しかも、それまでの「会計」という科目の名前から「財務会計機Ν供廚箸覆襦
CFの計算やら、企業価値の計算法も盛り込まれているらしい。

2013年から高校生が、企業価値。もちろん資本コストも習う。
ということは、WACCもNPVも学習範囲になる。

でもかわいそうに、2012年に入学した日本全国の高校生は、
2年になったら、ガラッと変わってIFRSも勉強しないといけない。

もっと、大変なのは先生。
先生は、前年、2012年から予習しないと!

ということで、来年度の4月から、会計大学院で、
公開講座「高校教員もIFRS!」を始めてみようと思う。


秋から準備に入ります。


さらに、教員免許は10年に一回更新がある。

その時に行う国の定める講習にIFRSを盛り込んで
L○Cも参入する計画も立てよう。


だぶんできる。もともと、カリキュラムやコース設計、
プライシングが仕事。

担当する先生や講師も、なかなか興味深いと思う。

調べてみたら、1年間に更新講習を受ける高校の商業の先生は、
日本中に7000人。社会科の先生に広げてみると15000人。
まだ、この分野の参入機関はない。


コンバージェンスの流れに自分も目を話せません。


あ。先月の発言、
「会計の制度の変更は、コアな企業戦略に影響しない」

この件だけは、例外かもしれません。



Babbie



※ 新学習指導要領 (商業 2013年〜)

簡単に触れておきます。高校の先生の指導マニュアル。
(新科目 税務会計兇糧歓茵

[財務諸表の作成・表示の考え方]
財務報告の目的、財務諸表の構成要素、財務諸表の構成要素の
認識と測定など、企業会計の基礎にある前提や概念について概観させる。

[資産負債アプローチと収益費用アプローチ]
資産負債アプローチと収益費用アプローチの意義及び純利益と
包括利益の意義について理解させる。

[会計基準の国際的統合]
財務会計に関する国際的な基準や
我が国の会計基準の特徴及び会計基準の国際的統合
の動向について理解させる。


[企業価値と財務諸表分析]
企業評価の意義について理解させるとともに、
キャッシュ・フロー分析などを活用した企業価値の基礎的な
評価方法を習得させる。


(新指導要領「商業」より)





すごい円高

  • 2011/08/18(木) 07:03:00

お盆も過ぎて、すっかり夏らしくなりました。
夏バテとか平気ですか?

それにしても、また為替レートが急騰してます。
先週、ついに瞬間で1ドル76.29円!
今年になって記録を更新したの76円台レートは史上最高値。

この夏は、すごい円高。バテてる場合じゃない。

なにせ、この前のバンコク旅行のカードの支払いが、
ちょうど先日あって、
ホテル代が一泊、2000円。
買ってきた諸々の小物や、食事代は、
予想よりはるかに安くて、しめて20000円を切った。
先週のレートが1バーツ=2.55円。

知っての通り、カードの決済は、
購入時ではなく、決済時の為替レートが適用されるから、
なんか、2カ月の間で、20%さらに安い感じ。

そう。もともと
為替レートは、モノの価値のバランスで測定されます。

PPP(Purchasing Power Parity) といって、
為替相場の最も単純な計算方法です。
タイでは325mlのペプシ缶は40バーツ(約110円弱)だった。
日本では、120円(夏は100円の自販機もある)
だから、正味の価値(net value) は、ほとんど同じ。

ペプシはペプシ。どこで買っても同じ価値を持つわけです。

国際的に流通できて、かつ、長い輸送時間の利く商品は、
このように「一物一価」の方向に向かいます。※

120円=40バーツ がペプシの価値のバランスです。
そうすると、1バーツ=3円
そう考えると、1バーツ=2.55円は、ま、納得のいく範囲というわけ。

ところで、産業界はというと、
円高が起こると、メーカーは赤字なのが昔の日本。
でも最近は、ソニーやホンダなど、円高でも増益の企業が出始めた。
富士通は純損益が前期の赤字1123億円から950億円の黒字に転じ
三菱自動車、シャープも純損益の黒字化を見込むとのこと。

これらの輸出企業の収支改善の秘訣は、為替取引の
テクニックが利いていることも一因。
(それ以上に、少ない人員と生産コストの削減で、
これまでに無い、従業員の努力が試されていることも確か)

為替の円高リスクをヘッジして、
1ドル80円前後で、フォワードしておく。
勿論、為替リスクのヘッジ方法だから、デリバティブの1方法。
先物取引で事前にドルを売り円を買って(先物予約)
決済時のドルレートで交換する約束をしておくわけです。


買った時10000ドルの商品を日本円で決済する時、購入時の
レートが1ドル100円だとしても、将来の一定期間後、
1ドル80円で決済する約束をしておく。
約束の時期が来たら、実際のレートが1ドル=120円だろうが、
70円だろうが、1ドル=80円で10000ドルを決済(800,000ドルで買う)する契約をする。
こうすると、円高トレンドの時は、買った時より、200,000ドル割安な取引ができる。

変わる外部環境に合わせて、組織の方法も、経営財務の方法も見直されているのです。

メーカーは、昔、円安時にドルを一気に円に交換して、利ざやを稼いできたから、
円安が好まれた。輸出も伸びるから。

だけど、今は、日本の通貨が強くて、重い。
しかも今回は、ずいぶん根が深くて、
アメリカの経済と国債の信用が改善しない限り、円高は続く予想。

だから、それを存分に発揮して、
輸入品は一層安く日本に入るようにし、メーカーは財務の力を借りて、
円高でも利益を出せるシステムを作ること。

実際に、今は、円高でも豊かになれる仕組みを作りつつある。

円高で利益を出せる日本。
それは、なにより、日本経済の信用の高さの証です。

昔は良くないと言われた円高。
今は、少し状況が変わっているようです。


すごい円高。


Babbie


※ マックのハンバーガーのように、輸送してたら腐ってしまうものや、
衣服や嗜好品のように個人の趣味や国の習慣で価値が一定しないものは、
世界的にも,まちまちの価格がつきます。
これは、「ビックマック INDEX」 といって、
イギリスの経済専門誌『Economist』が初めて行った、物価の比較方法です。
(アメリカのビックマックは、日本のビックマックより30%くらい安いし、
香港では半額くらい。)